今回限りの釣りのお話
笹井ホテルの『ささいなニュース』 NO.371
昨晩10時過ぎに帰宅してみると、トイレに氷がはっていました。案の定、水が流れない。昨晩はマイナス18度位まで下がったようですね。暖房を点けても部屋がいっこうに暖まりませんでした。こんな状態があたり前だと遂最近まで思っていたのですが、どうやら特別のようです...汗)
■さて、今回は釣りの話です。
日中でもマイナス気温の極寒のなか、半身を川の水に浸け、釣りをしている勇姿があります。それ私です・・笑)
川の前で釣りの仕度をしていると、どこからともなく現れた年配の方に、
「今どき何を釣るんだい?」と訊かれ、
「雨鱒...」と答えるや否や、その方の表情は曇ります。
「そんなもの釣ってどうするんだい!? まさか食するわけでもあるまい!」
その方の手にはパークゴルフのクラブが握られており、それを見て私の顔はほころぶのです。踊る阿呆に見る○○...お互い呆れるやら、よほどの物好きです。
「トラウト・バム」という本をご存知だろうか。1980年代初頭にジョン・ギーラックによって書かれたこの本は、多くの『オタク』の心を虜にしました。実際に私がこの本を読んだのは遂最近の訳本が出版されてからだ。この本を最初に書店で見たのは20年近く前のニューヨークのこと、その時は本の装丁が好きではなかったのと、それほどフライフィッシングに魅力も感じていない時期だったため、手にすることもなかった。
この本のまえがきには、ゲーリー・ラフォンテインによる胸を熱くする言葉があります。
「30歳に満たない人間は、トラウト・バムの資格がない。川ぞいに仮住まいする若造、川から川へと渡り歩く青二才はバムではない。人生のありかたを決めあぐね、ただ冒険を繰り返しているだけだから。妻、子供、家の支払いといった面倒を、彼はまだ放り出したわけではない。それらを考え始めるほど、年を重ねていないだけなのだ。しかし、30か40歳の男(もちろん女性も歓迎)で、なんとか生きていけるだけのフライを巻いて売り、もしくはかろうじて充分な数のお客をガイドし、あるいは必要に迫られて掃除の仕事をこなして、残りの時間を水辺で過ごそうとするものたちは、・・・」 (東 知憲訳 つり人社より)
(※フライフィッシングという奇妙な遊びにまったく興味のない方でも、釣った魚を食べたりするために持ち帰らずにその場で放してしまう行為をおかしいと思う方でも、この本を読んでいただければ、知らなかった感覚を味わうことができるであろうと思う。おススメの本のひとつだ。有名な中国の古諺と言われている話から引用すれば、「一生涯楽しく過ごしたかったら、釣りを覚えなさい」の意味もわかるかも...)
「私はここに住めてラッキーだとは思わない。運がよくて住んでいるわけではないからだ。ただし正直に言えば、きっちりした計画の結果でもない。大学を出てあちこちをさまよっているとき、自分がどんな場所にいるかはたと理解し、賢いことにそこから動かなかったというだけなのだ。この町ではできること、できないことが分かれているが、こと釣りに関して言えば、たっぷりと詰まったワインセラーの中で悩むように、釣りを選ぶことができる。」(本文より)
最後に付け加えると・・・川での魚種には岩魚、山女魚、虹鱒などがいるが、どれもほぼ人工孵化によるもので、雨鱒はまさに天然魚と言える。以前にはサケの卵を食らう害魚とした扱いも受けたらしいいが、この「天然魚」ということが雨鱒釣りの魅力のひとつだと思われる。また、ここ道東は北海道でも雨鱒の絶好のポイントが数多くある。これは好みだが、私的には、サイズ・数ともに豊富な道東の小渓流で釣りをするよりも、雄大な流れをもつ十勝川で出会う一匹が好きだ。年明けて3月の雪代前の十勝川下流域でのスナップを最後に載せてみました。(フロント課 渡辺)
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